日本人にとっての「三国志」の王道。大傑作です。 2007-07-22
司馬遼太郎さんのえがいた「項羽と劉邦」の世界から400年後、再び乱れた中国全土の平和と安寧を取り戻すべく、割拠しはじめる群雄たち。やがて3人の英雄が建国し、ついに晋一国に統一されるまでをまさにえがききった壮大な歴史スペクタクル。まるで荘厳な叙事詩のようでもあります。
三国志には正史や、明代の三国志演義、また多彩なバリエイションがありますが、日本ではこの吉川三国志こそが万人の心を躍らせた正統品とおもいます。冒頭こそ静かに始まりますが、まもなく、怒涛のような、そして躍動的な戦国絵巻の展開となり、面白くて興奮させられ、睡眠不足になります。
「桃園の儀」ののち、劉備、関羽、張飛の義兄弟が義勇軍を結成し、一方で中央では曹操が頭角をあらわし、ついに漢帝国を事実上滅ぼして全土に迫ろうとする前半部分。
もっとも頼りない英雄?の劉備が、若き天才軍師諸葛孔明を得て、呉の孫権とのたくみな戦力的連合により、「赤壁の戦い」で曹操の魏を破り、三国時代が樹立される中間部分。ここでの孔明は名補佐役、名宰相だった史実とは合致せず、まるで神出鬼没の天才兵法家です。孔明の魅力的な人間的実像は陳舜臣さんの「諸葛孔明」、また孔明の憧れの人「管仲」「楽毅」はいずれも宮城谷昌光さんのすばらしい歴史小説があります。これらを読まれるとますます理解が深まりますし、孔明ファンにはこたえられないとおもいます。
劉備も曹操も他界したのち、万人の胸をうつ上奏書として歴史に名高い「出師の表」を奉った孔明は、もともと国力の小さな蜀軍で、強大な魏軍に度重なる長征をいどみ続けます。そしてこの壮大なものがたりのクライマックス「秋風五丈原」にいたる終盤部分、諸葛孔明という史上まれな俊英の生命の最後の輝きが、強く、深く、読むものの心を揺さぶり続けます。
圧倒的におもしろく、そして歴史を躍動させた英雄たちのすさまじい生きざまが、いまなおわれわれを感動させてくれる、歴史小説の傑作です。
さらに詳しい情報はコチラ≫この記事は2007/8/13に作成しました。
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